株主・投資家の皆様へ

“The best SPICE”と呼ぶべき人材と技術を結集し
社会とともに持続可能な成長を目指します

代表取締役 社長執行役員
三浦 芳樹

 新日本理化は、1919年の創業からこれまで、経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。」のもと、着実に事業を継続してまいりました。これからも社会とともに持続可能な成長を追求する企業であるため、2030年に向けた経営ビジョンを策定しております。
 また、Vision2030達成に向けた具体的な戦略を示す「中期経営計画(2021年度~2025年度)」に基づき、多方面で取組みを進めております。

Vision2030

~心躍る極上のスパイスになる~

 当社が創るのは、社会の様々なシーンを支える、キラリと光る唯一無二の特性をもった素材です。それらの素材は、当社が多様な価値観を活かす精鋭の集まりであってこそ生み出されるものだと考えています。当社の一人ひとりがスパイスのようにお互いを引き立てあい、そして人々の心を躍らせるようなスパイスを提供する企業であることを目指します。

中期経営計画(2021年度~2025年度)

 Vision2030達成に向けて、5ヶ年の中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定いたしました。本計画は、Vision2030達成に向けた第1フェーズであり、2026年度以降の飛躍につなげる極めて重要な期間です。
 当社は、「全員参加/スピード/やり切る」をキーワードに以下の基本コンセプトおよび事業戦略に基づく具体的な施策を実行してまいります。

【基本コンセプト】

〇環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。
〇「情報・通信」「モビリティ」「ライフサイエンス」「環境ソリューション」の4領域に経営資源を集中し、成長戦略を実現する。

【数値目標(2025年度・連結)】

売上高 360億円
営業利益 22億円
ROE 8.0%

【事業戦略と進捗状況】

事業戦略➀ 稼ぐ力の再構築

 既存事業のスクラップ&ビルドを急ぎ、事業ポートフォリオの見直しを進めます。2023年度上期を目途に、子会社でのステアリン酸製造を中止するほか、可塑剤や酸無水物の一部品目については製造拠点を集約・合理化し事業競争力を強化します。その他の不採算事業も立て直しを進め、改善が見込めない事業からは順次撤退します。
 一方、成長事業に資源を集中し早期の収益化を目指します。中でも新規結晶核剤やバイオマス由来のエステル油については、脱炭素社会実現に貢献する高付加価値製品として訴求し、市場・ 用途開拓を推し進めます。

事業戦略② 技術革新による競争優位の獲得

 2021年5月開設の新拠点「京都R&Dセンター」を核に、同業他社や異業種スタートアップ、 学術機関など多様なパートナーとの技術交流や共同研究を進めております。
 また、2022年4月に立ち上げたDX推進室を中心に全社横断的にデジタル化を進めてまいります。製造現場では設備稼働データに基づく異常・故障の予兆保全、営業現場では顧客管理システムを活用した営業戦略の高度化など、各部門が課題と目標を設定のうえ取組みを推進しております。

事業戦略③ CSRの推進

 CSR委員会において11要素のマテリアリティ(重要課題)を特定し、各項目にKPIを設定した上で取組みを進めております。特に、E(環境)のマテリアリティとして掲げた「カーボンニュートラルの実現」については、2030年度に国内事業所からのCO₂排出量を50%削減(2013年度比)、2050年度にカーボンニュートラル達成という目標を策定しております。
 これまでに工場・研究所で再生可能エネルギー由来の電力およびガスの調達を開始しておりますが、今後は製造設備の稼働データを分析することによりエネルギー使用の最適化を図り、CO₂排出量の更なる削減を進めます。また、石化原料の代替となるバイオマス由来製品の拡充に取り組んでまいります。

事業戦略④ 組織再編と人材育成の強化

 企業価値向上の源泉となる人材に対し積極的な投資を行っております。2023年4月に導入した新たな人事制度は、年功的な処遇要素を削減し評価・処遇にメリハリを付けることに主眼を置いたものであり、これにより社員のチャレンジングな行動を促します。また、ダイバーシティ&インクルージョンを推進すべく、女性の管理職登用はもとより、異業種からのキャリア人材の採用拡大やフレキシブルな働き方を可能にする制度など複数の施策を継続的に実施しております。


 株主・投資家の皆様には、今後とも新日本理化グループの事業運営にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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